インドネシアの不動産に興味のある方に、以下の情報を共有させていたきます。
今回のテーマ:SKPT(土地登記証明書)とはなんですか。
土地登記証明書(以下、SKPT)は、土地区画の売買手続き上、或いは集合住宅一戸(Sarusun)の売買上では集合住宅一戸単位の所有権証明書(SHMSRS)を保持している証明として、必須の文書である。
SKPTそのものは、土地の履歴状況に関する情報が詳細に細かく掲載されている、国土庁土地事務所が発行する書類である。
SKPTは、特定のある土地区画について、物理上及び法律上のデータを調査するために利用される。
ここでの物理上のデータとは、登録されている集合住宅一戸単位及び土地区画の面積、境界、場所に関する情報であり、建物又は建物上の一部分に関する情報も含まれる。
一方、法律上のデータには、登録されている集合住宅一戸単位及び土地区画の法的地位、権利所有者及びその他の当事者、並びにそれらに付随する負担等に関する情報が含まれる。
競売による土地区画の売買取引においても同様である。
SKPTは、競売実施前に競売申請者/売り手に提出義務のある、必須の文書である。
土地登記に関するインドネシア共和国1997年政令第24号に基づき、土地区画の競売実施ごとに、国有財産サービス・競売局(KPKNL)の長は競売実施の遅くとも7日前までに国土庁土地事務所長に対してSKPTを請求する義務がある。
さらに、土地事務所長は、国有財産サービス・競売局の長からの請求を受けてから遅くとも5日の内にSKPTを発行する。競売実施の指示に関する財務大臣規則213/PMK.06/2020号において、土地区画のSKPTは競売前に必ず存在しなくてはならないと定められている。SKPTは、手続きの工程と費用を競売申請者/売り手が責任を負うかたちで、国有財産サービス・競売局の長によって請求される。SKPTがない場合、競売は実施できない。SKPTが発行済みであっても、既存の所有権の文書として関係のあるSKPT内に記載されている情報に関連して、必ずしも競売がすぐに可能になるとは限らない。SKPTは、将来発生するかもしれない問題のリスクを軽減する媒体のひとつとして競売人によって利用される。
当該土地区画の訴訟/争訟、差し押さえ記録、又は凍結等のSKPT内の情報は、競売人が競売実施の決定を下すための根拠となる。
競売実施が中止となる訴訟/争訟、差し押さえ、又は凍結の記録は、競売人によって競売参加予定者へ伝達される必要があり、この結果参加予定者は競売にかけられる土地区画の状態に関する明確な情報を入手できるようになる。
土地区画の競売実施において必要不可欠な文書として、SKPTは競売実施において非常に重要な位置を占めている。土地帳簿上の情報へのアクセス妨害、競売者の手続き遅延、SKPTへの署名担当者の問題等の要因により、SKPT不存在という理由で、競売実施はたびたび中止される。
一方で、インドネシア共和国国土庁長官/農業・空間計画大臣規則2017年第5号に則り、農業・空間計画省/国土庁データベース内に保存されている土地データがある限り、オンラインでのSKPT発行は実際のところ可能である。
オンラインでのSKPT申請は、基本的に申請者が現地の土地事務所へ実際に行く必要がなく、発行手続きが迅速に進むため、十分効率的に処理される。
ただし、実務においては、このようなオンラインでのSKPT発行にはまだいくつかの障害がある。たとえば、SKPT申請者が現地の土地事務所に処理させる必要のある対象物の検証や区画割りの必要性などである。
土地区画の競売実施において非常に重要なSKPTの存在を考慮すると、SKPT不存在による競売実施中止を回避するために、国有財産サービス・競売局と土地事務所の間の調整をさらに向上させる必要がある。
それ以外にも、土地区画の訴訟/争訟、差し押さえ、凍結など、SKPTに記載されている情報の更新は、競売人が競売実施の決定を下す際において非常に重要である。
競売人による予防原則は、競売実施の各当事者、競売の申請者/売り手、競売の買い手候補、競売される土地区画と接する可能性のある地域社会、及び競売人自身も保護することが期待される。
SKPTの最新情報により、迅速かつ正確なサービスが、安全で快適な、そして一般の人々の関心を更に高める取引媒体として競売実施を支えることが期待される。